飲尿マニアにとって、上空から降り注ぐあの聖水は大変にありがたい神の水らしい。
しかし、古代ローマでは、マニアではなく広く人々にありがたがられていた。
何に使われていたかというと、歯磨剤。
そもそも歯磨き粉の起源は、古代ギリシャに遡る。
当時は、食塩や黒胡椒、ミント、アイリスの葉を混ぜたものだったという。
ところが古代ローマで、歯磨剤に使われたのはなんと人尿。
アンモニアが歯を自くする、と考えられていたためだ。
とりわけ貴族の女性たちは、大枚をはたいてこれを買い漁った。
わざわざ買わずとも、自分の尿を使えばいいのではと思うが、尿素が濃いとされていたポルトガル人のものを輸入していたのだとか。
しかし、古代ローマ人の知恵は、あながち間違っていなかったようで、現代の歯科産業でもホワイトニングに過酸化尿素が使用されているらしい。
ところで、日本でも一時、飲尿健康法なるものが流行ったが、尿療法は古くから世界各国で行われていた。
中国では、四大美女のひとりである楊貴妃が、若返りの妙薬とされていた健康な少年の童尿を飲んだり顔につけたりしていたというし、西太后も童尿の成分を加えた丸薬を飲んでいた。
日本では、鎌倉時代に一遍上人が広め、一時流行したことがあったとか。
またインドのアーユルヴェーダでは、人間だけでなく数種類の動物の尿の薬効を説いている。
ちなみにマニアでなければ、尿は大変飲みにくい。
飲むならオンザロックがおすすめ、らしいが・・・?
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