「オレ、こう見えて立派な雁首を持ってるんだぜ」
そう言った時にガンクビと発音したなら、キセルの頭の部分。
雁の首の部分に形が似ていることから、こう呼ばれる。
「ガンクビ並べて待ってやがれ!」
などという場合のガンクビもこの雁首である。
一方、カリクビと発音したなら、それは自慢にほかならない。
やはり雁の首に形が似ていることから、亀頭を意味する。
男性器のなかでも最も敏感な部分で、首を優しく絞められたい輩も多いだろう。
ところで、この雁が姿を隠していることも少なくない。
「ボク、越前なんです」
そうカミングアウトされたら、福井出身であると理解するのは早合点かもしれない。
ならば、この場合の越前とは・・・?
時は江戸時代。
槍を押し立て、堂々たる大名行列をなす越前藩。
その槍のさやは、熊の毛皮から作られていたという。
その形状から、「越前」とは包茎を意味する隠語となったのである。
「実は私、きぬかつぎでして・・・」
というのも、決して美味しそうな話ではない。
皮ごと小さいサトイモを茹でた「きぬかつぎ」は、まさに包茎そのもの。
つるんと皮が剥けるので、仮性包茎の場合にも多く使われる。
さらに、「皮かむり」「皮かつぎ」「すぼけ」などと告白する人々も、み~んな包茎、または仮性包茎である。
ほかにも「ほおかむり」「お包み」「みのむし」「すっぽん」「パーカ」「チューリップ」などなど包茎を意味する隠語は多種多彩。
一説によれば日本人男性の約7割が仮性包茎だともいわれる。
直接的な表現を避けたい、涙ぐましい努力がうかがえるではないか。
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